皆さんこんにちは!
ワンニャンキャブの更新担当の中西です!
さて今回は
~猫の輸送・完全スタートガイド ✨~
1|“猫の輸送”は準備が9割?いいえ、8割+当日の心配りが2割です
猫は環境変化や音・匂いに敏感な動物。輸送の成功は、**「体調管理」「クレート慣れ」「匂いの安心設計」「給水計画」「書類」**の5点セットでほぼ決まります。反対に、このどれかが欠けると、移動中の鳴き・粗相・脱水・嘔吐・脱走リスクが跳ね上がります。ペット輸送業者(以下、輸送事業者)は、この5点を“飼い主さんと一緒に整える伴走者”であるべきです。
2|健康チェック:**今の猫さんの“基準値”**を知る
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問診:既往歴(呼吸器・循環器・腎臓・てんかん)、ワクチン歴、フィラリア/ノミダニ対策、妊娠・授乳有無、投薬の有無。
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身体所見:食欲・排泄・被毛の艶、呼吸数(安静時20–30回/分が目安)、心拍、体温(約38℃台)。
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輸送可否の見極め:高齢猫(シニア)、短頭種(ペルシャ等)、心疾患・腎疾患・肥満はリスク区分を上げ、輸送時間・温度帯・モニタリング頻度を強化。
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かかりつけ獣医の意見:長距離や空輸は事前受診がベター。鎮静薬は原則推奨されません(後述)。
✅輸送事業者のポイント
・健康チェックリストを標準化し、出発48–72時間前に回収。
・疾患リスクに応じて**運用(車内温度・積載位置・ケア間隔)**を可変設定。
3|クレート(輸送箱)選び:広すぎず狭すぎずが正義
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サイズ:立って頭が天井に触れず、方向転換できる内寸。
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構造:二方向ロック、金属扉、ビス固定(スナップだけはNG)、通気孔は3面以上。
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床材:吸水シーツ+タオル二層。滑り止めと保温を両立。
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名札:猫名・飼い主名・緊急連絡先・既往歴・給餌/投薬情報。外側と内側の二重貼付が安心。
クレート慣れの“7日カリキュラム”️
1–2日目:部屋の定位置にクレートを常時開放→中にご飯/おやつ
3–4日目:扉を短時間閉める練習→閉めたまま給餌/おやつ
5日目:短距離ドライブ10–15分(同乗者が声がけ&タオルで覆い視覚刺激を遮断)
6日目:給水ボトル/ノズルに慣らす、トイレ休憩のシミュレーション
7日目:出発同条件でフル装備の通し稽古
✅ポイント:
・クレートを**“刑務所”ではなく“巣”**に。フェロモンスプレー(Feli…系)を布にひと吹きで安心度UP。
・鳴いたら構いすぎない。落ち着いたら褒めるで学習。
4|匂いと音の“安心パッケージ”️
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匂い:普段使いのブランケット・飼い主のTシャツ(洗濯前)を小さく入れる。
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音:走行音や人声はストレス要因。静音タイヤ・防音マット・**ホワイトノイズ(小音量)**が有効。
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遮光:クレートの3/4をタオルで覆うと過剰刺激を遮断。
5|給餌・給水・トイレ計画
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前日夜の食事:通常の7–8割、脂っこい/新規フードはNG。
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当日朝:原則絶食(短距離例外)。吐出→誤嚥のリスク回避。
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給水:出発前に十分飲ませ、車内はノズル式ボトルまたはこぼれにくい器。スポンジトレイ方式も◎。
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トイレ:長距離はコンパクトトイレ(紙砂/ペットシーツ)を同梱か、休憩時に簡易トイレへ誘導。
6|必要書類と表示 ️
7|前日~当日のタイムライン ⏰
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前日午前:最終体調チェック、クレート洗浄→天日干しで匂いリセット。
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前日夜:フード8割、給水十分、爪切り(引っかき防止)。
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当日朝:排泄→ブラッシング→フェロモン布→装備装着(名札/結束)。
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出発30分前:車内温度を**24–26℃**に安定、直射日光を遮蔽。
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出発:静かに持ち上げ、水平保持。揺さぶらない。
8|鎮静薬についての基本姿勢 ❌
獣医師の管理下を除き、安易な鎮静は原則避けるのが国際的な推奨です。体温調節・姿勢反射・気圧適応が鈍り、呼吸抑制や隠れた疾患の顕在化リスクが上がるため。どうしても必要な場合は、短時間テストを自宅で行い、用量・反応を確認してから。当日ぶっつけ本番は厳禁です。
9|まとめ
準備の質=輸送の質。健康管理・クレート慣れ・匂いと音の設計・給水/トイレ計画・書類を“見える化”し、前日~当日の動線を合わせれば、猫のストレスは大幅に軽減できます。
次回は、**「陸送」「空輸」「混載/専用便」**それぞれのメリデメと、安全装備/温湿度/走行ルールをプロ視点で徹底解説します✈️。